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経験学習のススメ

経験学習デザイナー 阿部久美子のブログです

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教訓抽出力

昨日の土曜日は、日頃尊敬するS先生主催の勉強会で、‘経験学習のススメ’と言う
題でお話しをさせていただきました。

アクションラーニングの研修の中でその背景理論として10分くらいで経験学習の考え
方を紹介することは多いのですが、自分の中で‘友達’になっている‘経験学習’に
ついて語るのは初めてです。しかも時間は3時間半もあります。

ビシビシバシバシと質問が飛んできます。思いもよらない角度から、また
ちょっと自分の中で曖昧だな~というところにはちゃんと質問が飛んできます!
参加者全員が人材開発の専門家ですので、さすがです。楽しい時間がどんどん
過ぎてゆき、皆さんのご協力いただきながらの勉強会となりました。

経験学習を高める4つの能力についてお話しを進めていた時のことです。
経験学習サイクルの提唱者であるコルブは、次のように言っています。

① 具体的な経験
   新しい経験にかかわることへの開放性・自発性
② 省察的観察
   様々な視点から経験を観察し振り返りをする能力
③ 抽象的概念化
   これら経験から統合的な考えや概念を生み出すことのできる分析的能力
④ 実践的試み
   これらの新しい考えや概念を実践に使えるための決断力や問題解決スキル 


ここにきて、抽象的概念化を高める能力って何だろう・・という質問がでました。
え~と、、抽象的概念化は、いわば教訓を引き出したり持論をつくったりという力で、
いわば自分軸を作るっていうのに似ているかもです・・シドロモドロの私。


その時、参加者のYGさんが助け舟を出してくれました。
YGさんの尊敬する方が、マネージャーとして大切にしていることを7つ教えて
くれたそうです。その7つの中で、重要なことを一つ選ぶとしたらそれは
「教訓抽出力」だ、とおっしゃったそうです。
YGさんは、それを思い出し、もしかしたらそんなことではないでしょうか?と
言ってくださったのです。

そう、そう、そう、そうなんです。その教訓抽出力なんです!と大喜びの私。

教訓抽出力。なんて素敵な言葉でしょう!YGさんありがとうございました。
参加者の皆さんのたくさんの質問、そして意見交換をありがとうございました。


この勉強会を振り返ってみて私も教訓を抽出しました。

まだまだ、自分の言葉で魅力的に経験学習を語れない私を見つけました。
もっともっと伝えられる私になるために、伝える場をふやしましょう。
伝えて質問を受けてやり取りをする中で、私の伝えたい経験学習は、もっと
磨かれていくはずです。

どんな場ができるかわかりませんが、念ずれば場はやってくるはず。
これからが楽しみです。

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チームビルデイング

日曜日は、中小企業診断士の理論研修がありました。
毎年この時期になると受ける4時間の座学研修です。3つのテーマ3人の講師が
話しますが、固いお話ばかりで楽しい研修という感じではありません。

ところが今年はちょっと変わった女性講師がおりました。彼女は、90分の研修
の中に20分のグループワークを入れたのです。
私的にはグループワークは普通のことなのですが、150人近い研修の中で、
しかも皆むっつりと話を聞く研修と思いこんで出席している人たちにとっては、
とても変わったことに思えたようです。

さあ、6人ひと組になって20分のグループワークが始まりました。
テーマは、千葉県君津市の「小糸在来」という名前の大豆の今後の販売戦略につい
てです。
面白いので、私も皆と一緒にむっつりを決め込むことにしました。

1人の男性(仮にA氏)は、コンサルタントの職業意識から、このプラン
は難しい、この案件は自分だったら絶対に引き受けない! と、とうとうと語っています。
あれ~、いつまでそんな話をしているんだろう・・・と観察。

するともう一人の男性(仮にB氏)が、このグループワークのやり方について
文句を言い始めます。
20分でやるなんて無理だ、だいたい情報が足りなすぎる、どうせ遊びなんだよね、
とまくしたて、挙句の果てに講師の女性は入れ込みすぎだ・・・と話し始めます。
あれ~、どうするんだろう・・・と観察

私を含めて他の4人はむっつり・・・私は心の中では、超面白い展開だと大喜び。
さて、ここで何がおこるのだろうか・・・と。

15分が過ぎたころに、B氏が時計をみてあわてだしました。そして自分がこんなに
文句を言うのは、自分がこういうグループワークが大嫌いであること、人と話すのが
嫌いだから中小企業診断士のような独立して出来る仕事を始めたんだよね・・・と
心情を吐露し始めます。

さあ、動きだしたぞ~そろそろ参加しようかな、という思いが私にも湧いてきました。
「Bさん、ここにいる人はみんな同じ思いですよ。安心してください。私もこういうの
大嫌いですから。だからみんな中小企業診断士なんですよ~」と一言。


一同大爆笑

あっという間に皆の表情が変わりました。いままでむっつりしていた4人が話し出し、
あっという間にグループワークのテーマについての討議がまとまりました。
そして、最後に発表用のシートを手にとって率先してまとめてくれたのがA氏でした。

人が集まって話をする場って、ホントに面白いです。
一人一人って、みんな真面目で、みんなお茶目で、面白いです。
ちょっとふまじめな、私のチームビルデイングでした。

学習者と批判者

学習者という言葉に初めて出会ったのは、「質問思考の技術」という本の中でした。

QT 質問思考の技術QT 質問思考の技術
(2005/05/16)
マリリーG.アダムス

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誰でも一回は読んでみたいお勧めの書です。

そこには、「学習者」と「批判者」という表現がありました。
学習者としての質問、批判者としての質問というような言葉の使い方です。

最初のころ、どうもこの「批判者」という表現に少しばかり違和感を持っていました。
たとえば、あの時の私は、確かに「学習者」ではなかったけれど、別に「批判者」
でもなかったし・・・というような感じの違和感です。

ところが、ある時、この本の原文に触れる機会がありました。
そこには 学習者=Learner / 批判者=Judger と書いてあります。

なるほど! そういうことだったのか・・・と大いに腑に落ちたのでした。
と同時に、自分の在り方が、Judgerそのものであるという、ちょっとショックな
振り返りが起きたものです。

その後、アクションラーニングを学び、また教える立場になった今、まだまだ
自分の中のJudger と向き合う毎日ですが・・・少しだけ分かってきたことが
あります。

 ジャッジするということは、そこで可能性が閉ざされてしまうこと 
 ジャッジするということは、そこで自分が何かを引き受けてしまうこと
 ジャッジするということは、そこで分離を生んでしまうこと

ジャッジしたことの結果は、何らかの形で、みんな自分に戻ってくるのだという
のが、今のところの私の持論です。
それでも、わがままな思考は、いつでもジャッジしたがります。

ジャッジした瞬間に気づく訓練でもしましょうか・・・

振り返る力をつける(中級編)

振り返る力を付ける(初級編)では、振り返り力をつけるポイントに次のようなことを書きました。
  人に話すこと、
  他者に質問してもらうこと
  他者にフィードバックをもらうこと
  書くこと

さて、今回はもう少し高級なテクニック(?)をご紹介しましょう。
テクニックといっても、それはとてもシンプルなこと。

ドナルド・ショーンという学者は、振り返る力を高めるためには
「自分の言っていること」と「やっていること」の違いに気づくことがとても
 大事だと言っています。
 
  「自分の言っていること」・・・これは、こういう時にはこうすべきであると
    いうような、いわば自分の中にある持論のようなものです。
    英語では、What you say yo do

  自分のやっていること」・・・これは、実際の自分の行動。
    英語では What you do


自分が困難に陥ったり、何かに反応したときなどには、とくにこの違いが出てきやすいのです。

恥ずかしながら・・・私のいま意識していることを例にあげて説明をしますと・・

私が最近心がけていることは、人に対してラベルを貼らないということです。
’あの人はこういう人’というラベルを貼ってしまうと、そのラベルを通して
その人を解釈してしまうので、気を付けているのです。
つまり「人にラベル貼りをしない」が「私の言っていること」。

しかし、その人に対して何か引っかかりが生じたり、腹が立つことが出てくると、
「まったく・・・○○さんは、~なんだから~なのよね」とラベル貼りをしている
私に気づくのです。

あ、またラベル貼っちゃった!とたまにですが、すぐに気づけたときは合格です。

ラベル貼りをするクセは、なかなか抜けませんが・・・
でも一歩一歩気づくうちに、もう少し人生が効果的になっていくのではないかと
期待しています。


振り返る力は、毎日毎日磨くもの、日々の生活の中で磨くものだと思います


アンラーニング

 一カ月ほど前になりますが、学習する組織「10の変革課題」の勉強会で、
アンラーニングという言葉に出会いました。
本の注釈には「身につけてきたことを意識的に捨てること」とあります。
「学習棄却」、「学びほぐし」と訳されることもあるようです。

その時から気になっていたこの言葉。
このお盆休みに、私の目指す新しい研修の在り方をいろいろ考える時間があり、
その中で、まさに私が「アンラーニング」した経験を思い出したのです。

    

私はもともとシステムエンジニアでしたから、設計が大好きです。
出来るだけ受講者が参画し、体験を積めるような研修にしたいと考えていました。
それこそ分刻みで、アイスブレーキング、講義、ロールプレー、グループワーク、
振り返りなどを設計し、ほぼパーフェクトに研修の効果を出せる自信をもってい
ました。
今思えば、そう思っていた時点で、もうアンラーニングが必要だったのです。

そんな時、私自身が参加したある研修で、大きな変化が起きました。
その研修はとても魅力的な内容でしたが、講座自体が未熟で、丁寧なレクチャー
もなく、多すぎ資料、説明不十分な課題がてんこ盛りでとても大変でした。
しかも高いし。
こういう目にあうのは二度目です。新しい理論やスキルを学ぶ時に、早く飛び
つくとだいたいこういう目に会うのです。(私の持論)

設計という意味では本当に未熟な講座だったのですが、気づいてみたらすごく
学習が進んだのです。誰も何も助けてくれないので、自分が学習せざるを得な
かったのでした。しかもとっても達成感があり、何だろう、この感じ・・・
そんな違和感から、私のアンラーニングが始まりました


 設計することは大切ですが、設計された中で起きる学習には限度があります。
とくに、研修の内容を腹落ちさせ、現場で実践できるようにするためには、もっ
ともっと参加者の自主的な参加が必要だ、ということに気づいたのです。
私のなかで、これまで積み重ねてきた研修設計のノウハウを「棄却」し、
学びほぐしが起きたのでした。 
               
                                         

 その時から、参加者中心の研修、場のリソースを使いながら、場の学習を高めていく
研修に向けての私の旅が始まりました。

 経験学習を積み重ねながら物事は進んでいきますが、アンラーニングは、完成
された持論そのものを破壊し、さらに次元の高い持論を作るためにとても必要な
プロセスなのだとラーニングしたのでした


持論は波及する

経験学習は個人だけでなく、チームや組織、そして社会にも適用して考えることが
できると思います。

私たち個人がまわす経験学習のサイクルは、当然、その人の属するチームや組織、
社会に対しても影響を与えるのです。

8月に入って、広島、長崎の平和記念式典の様子がTVで放映されました。
今年は、米英仏の代表が式典に出席したこともあり、世界が少しずつ平和に向けて
変わっていこうとする実感を日本中が感じているのではないでしょうか?

そんな中で、アメリカ代表の出席について、2人の市民へのインタビューが映し
出されました。

 1人目 自分たちの平和への願いが少しずつ届いていることに感謝しています
 2人目 もう65年目なんですよ。来るのが遅すぎますよ。


1人目の方も2人目の方も、どちらも日本人の意識の代表なんだろうな・・・と
思いました。しばし、考えさせられたシーンでした。

 1人目の方の持つ持論は、世界を平和に向けて統合しようとする持論。
 2人目の方の持つ持論は、良い悪いを判断して分離を進めてしまう持論。


1人1人の持論が集合体の持論を形成していきます。
1人1人の心の在り方が集合体の心の在り方を形成していきます。

思えば8月という月は、一年に一度、日本中が、戦争と平和について振り返り
をする月なのだと思います。
今年からは、8月は広島・長崎を発信地として、核兵器廃絶に向けて世界が
振り返りをする月になっていくのかもしれません。

経験を深く振り返り、より良い未来に向けた生産的な考え方を生み出すこと
 そこから生み出した考え方を勇気をもって実行していくことの大切さを噛み
 しめた、今年の8月でした。(8月はまだ終わっていませんが)




清濁併せ呑む

今日は、これまでで一番暑い立秋の日だそうです。
さて、今日のお題はこれ。

   理に走れば角が立ち、情に竿さしゃ流される
   とかくこの世は住みにくい


最近、こんなことをぼやきたくなる出来事にいろいろ遭遇します。
何かのお告げでしょうか・・・
時代は変わっても、人の世の営みは昔も今もそんなに変わっていないんですね。

どちらかと言うと「理に走る」傾向にあった私にも、昨年転機が訪れました。
「理」でも「情」でもない世界。
自分にはどうにもならない出来ごとの数々を目の当たりにしながらも、目の前の
仕事は進めていかざるを得ない状況。
これって、普通の世界なのかもしれませんが・・・

企業で働いていた時には日常茶飯事のことだったのだと思いますが、独立して
12年も経ってしまうと、こういう状況に対する耐性が弱まってしまうようです。
そもそも、こういうことがいやで、
     好きな時に、好きな仕事を、好きな量だけやりたい
と思って独立しましたから。
しかし神様は、ちゃんとレッスンを準備してくれていました。

そんな時に、いつも窮地になると相談に乗ってくださるY先生からいただいた
言葉がこれです。

清濁併せ呑む

辞典をひくと、善・悪のわけへだてをせず、来るがままに受け容れること。
       度量の大きいことをいう。
      (大海は清流も濁流も区別することなく迎え入れることから)


是々非々」にも通じるところがあります。
私の苦手なところがだんだん絞り込まれてきました。

「是々非々」も「清濁併せ呑む」も、まだ私の中では「借りてきた猫」みたいな
存在ですが、これを本物の私の持論に育てていけたらいいなあ・・と思う今日
この頃です。

自己の棚卸

経験学習を組み込んだリーダーシップ開発も3回目を迎えました。

この研修では毎回たくさんのドラマが生まれます。
今回のテーマは‘自己の棚卸’です。
 ※この方法は、今は亡きO先生に教えていただいたものを私風に
  アレンジしています。

あらかじめ出されていた質問事項に対して、皆真剣に取り組んでいざ発表。
1人15分の発表のあと、メンバーからの15分のフィードバックタイムを設
けてあります。

<質問項目はこんな感じ>
 ・現在の仕事をしていく上での自分の使命、自分にとっての意味
 ・現在の仕事を進める上での自分の強みと弱み
 ・これまでの自分となりたい自分
 ・今後どのようなリーダーシップを発揮したいか
 ・今後どのようなフォロアーシップシップを発揮したいか


全員の発表が終わり、最後の振り返りで、こんな話がでました。

  自分が思っている自分と、周りから見える自分は、こんなにも違うのか・・
    とビックリした。
  自分に出来ていないと思っていたことが、周りからの質問やコメントで
    出来ていると言われて嬉しかった。
  自分が気にしていたことが、まったくの自分勝手な思い込みだとわかった。 
  志を語ってくれたことで、今まで理解出来なかった人に尊敬の念が生まれた。

実際のところ、発表を客観的に聞いているとたくさんの矛盾が見つかります。
自分の弱みに、伝えるのが下手と言っている人がとても上手に伝えていたり、
自分の強みに皆からたくさん相談を受けると言っている人が、自分にはリーダー
としての自信がない、と言ってみたり・・・
でも1人1人にそこらへんを丁寧に質問をしていくと、本人の中ではちゃんと
そう思う理由があり、自分の中ではつじつまが合っているのでした。

リーダーは、大きな山を一歩一歩上っているようなもの。
初めに見えていた景色や上手くいかなかった時の体験が、自分の自画像として
脳裏に焼き付いていて、自分の成長に気づいていないのかもしれません。

 リーダー自分の棚卸をして発表
 そして対してリーダー同志が相互に質問やフィードバックをし合う。


こんなシンプルな仕掛けの中で、リーダー相互の共感と共有が醸成されていきます。
仲間からの質問やフィードバックから得た気づきは、何物にも代えがたい宝物に
なるようです。強いリーダーチームが生まれるのがとても楽しみです。

今は亡きO先生は、天国で見ていてくれたでしょうか?

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